加藤被告の“償い”は「理由」を話すこと…アキバ無差別殺傷事件初公判(スポーツ報知)

 2008年6月、東京・秋葉原で7人が死亡、10人が重軽傷を負った無差別殺傷事件で、殺人などの罪に問われた元派遣社員・加藤智大被告(27)の初公判が28日、東京地裁(村山浩昭裁判長)で行われた。被告は「わたしがしたことに間違いありません」と起訴内容を認め、被害者に謝罪。さらに「わたしにできることは、どうして今回の事件を起こしたのか明らかにすることです」と凶行に走った経緯、動機を、公判で自ら説明していく意思を明らかにした。

 日曜日の歩行者天国にトラックで突っ込み、通行人を次々とナイフで刺していった1年7か月前の通り魔事件。惨劇を引き起こした加藤被告は、髪を短く刈り、白いシャツに黒いスーツ姿で、初公判の法廷に入った。被害者遺族らが座る傍聴席に向かい数秒間、頭を下げてから着席。やせこけ、顔は青白く、精気は全くなかった。

 罪状認否で証言台に立つと、折り畳んだ紙を取り出し、弱々しい声で文章を読み上げ始めた。「亡くなられた方、けがをされた方、ご遺族には大変申し訳ありません」と無表情に謝罪。「事件当時の記憶がない部分もありますが、わたしが犯人であり、事件を起こしたことに間違いありません。取り返しのつかないことをしました」と起訴内容を認めた。

 続けて「せめてもの償いとして、わたしにできることは、どうして今回の事件を起こしたのか、明らかにすることです。詳しい内容は後日、ご説明します」と朗読した。被告は遺族や被害者にあてた謝罪の手紙で「どうせ死刑だと開き直らず、すべて説明したい」と既に伝えており、真実を述べる責任を全うする意思があることを改めて示した。

 検察側は冒頭陳述で、被告の「不満の唯一のはけ口」だった携帯電話サイトの掲示板に「荒らし」が頻発したことが、動機の一部と指摘。弁護側は「完全責任能力があったことには疑いがある」と争う姿勢を示した。検察側の証拠調べで、血に染まった現場など当時の写真が映し出されると、傍聴席からすすり泣きの声が上がったが、被告は無表情のままだった。

 初公判は46席の傍聴券を求め769人が列を作った。公判期日は8月4日の22回まで指定され、被告人質問は7月以降の見通し。法廷で被告が何をどう述べるのかが、死刑求刑確実な裁判の今後の焦点のひとつとなる。


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